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性病・感染症用語 さ・た行

ジフテリア

 ジフテリア(diphteria)はジフテリア菌(Corynebacterium diphteriae)の感染によって生じる上気道粘膜疾患であるが、眼臉結膜・中耳・陰部・皮膚などがおかされることもある。感染、増殖した菌から産生された毒素により昏睡や心筋炎などの全身症状が起こると死亡する危険が高くなるが、致命率は平均5〜10%とされている。現在我が国ではトキソイドワクチンの接種により患者は 激減し、年間数例が散発的に報告されるだけとなったが、1990 年代前半からの旧ソビエト連邦での大流行は、欧州各地を巻き込んだ国際的な問題となった。ジフテリアは国際的に予防対策が必要かつ可能な疾患として扱われ、WHO ではExpanded Program on Immunization (EPI )の対象疾患の1 つとしてワクチン接種を奨励している。
 ジフテリア菌(Corynebacterium diphteriae)の感染により発症する。患者や無症候性保菌者の咳などにより、飛沫を介して感染する。
 2 〜5 日間程度の潜伏期を経て、発熱・咽頭痛・嚥下痛などで始まる。鼻ジフテリアでは血 液を帯びた鼻汁、鼻孔・上唇のびらんがみられる。扁桃・咽頭ジフテリアでは扁桃・咽頭周 辺に白〜灰白色の偽膜が形成される
 治療開始の遅れは予後に著しい影響を与えるので、臨床的に本症が疑わしければ確定診断 を待たずに治療を進める必要がある。
 治療には動物(ウマ)由来の血清療法が行われるので、アナフィラキシーに対して十分な配慮をする必要がある。治療により、予測不能なショック症状およびショック死の可能性もあり得る。抗菌薬としてはペニシリン、エリスロマイシンなどに感受性がある。しかし、予防に勝る治療法はない。
 予防としては、世界各国ともEPI(Expanded program on Immunization :拡大予防接種事業)ワ クチンの一つとして、DPTワクチンの普及を強力に進めている。我が国では1948 年にジフテリア単 独ワクチン、1958 年にジフテリア・破傷風混合ワクチン、1968 年以降にDPTワクチンとなり、さらに 1981 年から現行のDPT ワクチン(百日咳ワクチンは無細胞ワクチン)となっている。予防接種の普 及により、わが国では現在年間1 名程度の発症が報告されているにすぎないが、今後ワクチン接 種者が減少した場合や、海外からの持ち込みにより流行の可能性が懸念される。
 我が国で行われているDPT 三種混合ワクチンは、1期初回として生後3〜90カ月(標準的には生後3〜12カ月)に3回、その12〜18 カ月後に追加接種を行い、11〜12 歳にDT 二種混合ワクチンに より第2 期接種が行われている。第1 期の接種率は良好であるが、第2 期のDT ワクチンの接種率 は70%前後である。本症の重大さを理解し、日頃からワクチンによる予防に積極的になる必要が ある。(参考文献:国立感染症研究所感染症情報センターHP疾患別情報より)